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COLUMN4:200年前のパリを今に伝えるパサージュの歴史

  1. COLUMN4:200年前のパリを今に伝えるパサージュの歴史

ご覧いただきありがとうございます。
PASSAGE de SINCOLがモチーフとしたのはパリのパサージュ。
今回はパサージュの歴史を紐解いてみましょう。

パリの王政復古期、ガラス天井のパサージュの誕生

今でもパリ市内には、ギャルリ・ヴィヴィエンヌやパサージュ・ジュフロワなどの美しいパサージュが残されています。
現存するパサージュの中で最も古いと言われるのが、モンマルトル大通りにあるパサージュ・デ・パノラマ。
建設が始まったのは1799年。ナポレオンがエジプト遠征から帰り、新政府を樹立した年にまで遡ります。
ガラスの屋根をかぶせた通路の両側には、さまざまな一流の店が軒を連ねました。
装飾に彩られた豪華なカフェ、スイーツが並ぶ公爵夫人のお菓子屋さん、当時流行していた麦わら帽子店、色とりどりの手袋の店、シックな文房具店。
雨風を気にせずにショッピングできる場所が珍しかったこともあり、一躍人気のスポットとなったのです。

人並みの途絶えたパサージュ

その後の1800年前半ごろまでは競い合うように多くのパサージュがつくられ、最盛期には100以上のパサージュがあったと言われます。
しかし1852年、パリ市内に世界初のデパートとなる「ボンマルシェ」がオープン。
さらに「オ・プランタン」や「ギャラリー・ラファイエット」などの大型で最新の建物を誇るデパートが増えるにしたがって、パサージュは火が消えたように静まっていきました。

200年もの時を経て、再び輝き出すパサージュ

パサージュに再び光があたったのは1985年。
ギャルリ・コルベールが国立図書館に買い取られ、分館として再生したのです。
さらに、パサージュの魅力を再評価した有名デザイナーたちがギャルリ・ヴィヴィエンヌなどにブティックをオープンしました。
パサージュは200年前の華やかなパリをそのまま封じ込めていたのです。
現存するいくつかのパサージュは再び活気と美しさを取り戻し、パリの街歩きに欠かせない人気のスポットになっています。

そんな歴史に思いを馳せながらパサージュで買い物をするとしたら、何を手に取るでしょうか?
パサージュの美しさを自分の部屋に持ち帰れるようなアイテムを探したくなるかもしれませんね。
PASSAGE de SINCOLのセレクトしたアイテムの中にも、古き良き時代の美しい感性が根付いています。


参考文献:鹿島茂「パリのパサージュ 過ぎ去った夢の痕跡」平凡社,2008

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