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連日のように暑さが続くと、ビールが一層美味しく感じます。
イギリスでは「パブ」で多くの人達がビールを飲みながら語り合っています。
イギリス発祥のパブ文化と、ビールについてお話します。
イギリスは世界の中でもビールの消費量の多い国です。国民1人あたりの年間消費量では、日本の約2倍の量が飲まれています。
イギリスのビールの歴史は古く、ビールが伝来したのは古代ローマの統治下の時代、紀元前1世紀ころといわれています。
5世紀にはすでにイギリスでは「エールビール」が醸造されており、現在も何百年もの歴史と伝統を持つ醸造所が存在しています。
9世紀ごろには「エールハウス」と呼ばれるパブの原型が街頭に建ち並ぶようになり、イギリスにとってビールは大衆的な存在となっていきました。
パブ(pub)とは「public house(公共の家)」の省略語であり、元々は社交場として利用されていました。
非常に長い伝統を持ち、イギリスのどんな小さな村を訪問しても教会とパブだけは必ずあると言われるほど、イギリス人の生活に根付いた存在です。
お酒を飲む場所だけを指す日本の居酒屋とは異なり、パブは地元の人々が集まり食事をし、お酒など飲み物を楽しみながら交流するなど
公共の存在といった意味を持っています。地域のコミュニティの拠点になっており、人々から大切にされているのです。
また、同じパブでもスポーツ観戦しながらお酒を楽しむことができるパブや、食事を中心にファミリーやペットも利用できるパブなど、
さまざまな特徴をもつパブがあります。
日本で流通しているビールの殆どが「ラガービール」ですが、イギリス発祥の伝統的なビールに「エールビール」があります。
ラガービールは発酵温度が約10℃前後と低く、酵母はタンクの底へ沈んでいく「下面発酵」で造られます。
一方エールビールは発酵温度約15℃から25℃と高く、酵母が麦汁の上面に浮き上がってくる「上面発酵」で造られます。
常温のまま発酵をうながす上面発酵は、常に雑菌の繁殖と隣り合わせでした。
しかし、夏は涼しく、冬は温暖なイギリスの気象条件はまさにエールづくりに最適だったのです。
しっかりと冷やして喉越しを味わうラガービールと違い、エールビールは深い味わいと豊かな香りが特徴です。
この香りを楽しむには少し高めの9℃から13℃くらいの常温が最適といわれています。
まだまだ暑さが続きますが、大切な人達と語り合いながら、エールビールをじっくり味わってみてはいかがでしょうか。